
RACOON NEWS
2025.02.26
赤ちゃんのミルク作り、水のことどこまで知ってる?
赤ちゃんを育てる上で欠かせないミルク作り。毎日行うからこそ、安全な方法で行いたいですよね。
ミルク作りで意外と見落としがちなのが「水」について。今回は、安全なミルク作りにおける水の重要性と、三田理化工業の取り組みをご紹介します。
調乳ガイドラインで推奨されている水の条件とは?
WHO(世界保健機関)が発行している「調乳ガイドライン」では、ミルク作りに使用する水について、以下のように定めています。
●十分な量の安全な水を沸騰させる。
●ボトル入りの水も無菌ではないので、使用前に沸騰しなければならない。
●電子レンジは加熱が不均衡で、乳児の口に火傷を負わせる可能性があるので、粉ミルクの調乳には絶対に使用してはいけない。
●70℃以上にまで冷却した適量の沸騰させた水を、清潔で滅菌済みのコップあるいは哺乳瓶に注ぐ。
粉ミルクには、微量ながら菌が含まれており、粉ミルクの製造工程ではこの菌を完全に除去することはできません。この菌は、生まれたばかりで菌への耐性が低い新生児の健康を害する恐れがあります。アメリカでは2022年、粉ミルクに含まれるクロノバクター・サカザキ菌によって2人の赤ちゃんが死亡するなど、現在においてもリスクがあるものです。
これらの菌は、70℃以上のお湯をミルクに注ぎ調乳することで殺菌できることから、上記の通り、粉ミルクに使用する水が規定されています。
つまり、ミルク作りには安全な水を沸騰させて70℃以上で粉ミルクと混ぜることが重要です。
水道水は使っても大丈夫?
日本の水道水は、そのまま飲んでも安全なほど高い水質基準をクリアしています。そのため、沸騰させればミルク作りに使用しても問題ありません。(ご家庭によっては浄水器を使う場合もありますが、浄水であっても沸騰、70℃以上であることは必要です)
実は、粉ミルクは水道水に含まれるミネラルを想定して作られています。ご家庭でミルクを作る場合は、水道水を沸騰させて使用するのが一般的です。
病院ではどんな水を使っているの?
病院では、新生児やリスクの高い赤ちゃんのために、より安全なミルク作りを行っています。
生まれたばかりの赤ちゃんや、抵抗力の低い赤ちゃんは、水道水に含まれる微量な菌でも影響を受けやすい可能性があります。
大量のミルクを一括して作る場合は、作ってから赤ちゃんに提供するまでに時間がかかるため、水の中に菌が繁殖しやすくなります。
これらの理由から、病院では水道水をさらに処理した調乳水を使用することが一般的です。
三田理化工業が考える「調乳水」の定義とは?
三田理化工業では、より安全なミルク作りを実現するために、調乳ガイドラインに沿った調乳を実現するため、独自の基準を加えて調乳水を定義しています。
①有害な有機物がフィルターで除去されている。
②ただし、水道水に含まれるミネラルなどは除去されていない。
③一度沸騰したあと、70℃付近まで冷却される。
④上記の工程の間に菌の発生、異物の混入がない。
⑤採水ポイントにて無菌である。
⑥軟水であること。(硬水は調乳水に適していません。)
三田理化工業は、これらの条件を満たす調乳水を製造するための装置を開発・提供しています。単に水を生成し、フィルターを通せば良いというわけではなく、水の通り道や出口まで菌が侵入・繁殖しない構造にすることが重要です。50年以上、調乳を向き合ってきたから三田理化工業だからこそできる、見えないところのこだわりを積み重ねています。
三田理化Timesでは、今後も調乳に関する情報を発信していきます。